流行りの「廊下のない家」、そのメリット・デメリットは?

ファッションにトレンドがあるように、住宅にもトレンドがあります。近年の新築住宅でよく見る間取りの一つが「廊下のない間取り」。玄関ホールを抜けたら広いリビングがあり、リビングを中心に各部室へと移動する間取りのモデルハウスや住宅広告を見たことがある人も多いのではないでしょうか。
廊下がない家のメリット・デメリット
廊下は部屋と部屋をつなぐ場所ですが、ただ移動するためだけに広いスペースをとるのはもったいないので、なるべく廊下を短く、できればゼロにしたいと考える人は多いようです。
廊下がない家の最も大きなメリットは、廊下にとる面積がないぶん空間にゆとりが生まれて、部屋を広くとれること。土地代の高い都市部ではどうしても敷地が狭くなる傾向がありますが、廊下をなくすことで、コンパクトで住みやすい家づくりが可能になります。
廊下がない家では基本的にリビングを通って各居室へと移動する間取りになるため、親子が自然と顔を合わせる機会が増えてコミュニケーションが生まれやすくなります。また、室内を行き来する動線も短くなるので、家事の時短や作業の効率化につながります。
デメリットとしては、部屋と部屋がつながっているため音やにおいが漏れやすく、プライバシーが守られにくい点が挙げられます。また、間取りによってはリビングからトイレが丸見えになることもあり、人目が気になるスペースの配置には注意が必要です。
このように、廊下がない家にはメリットもデメリットも存在するので、単に「流行っているから」という理由で選ぶのではなく、家族のライフスタイルを考えながら検討するのがおすすめです。
廊下ならではの活用法も
今の間取りでは「ムダな空間」と考えがちな廊下ですが、部屋と部屋を区切ることでプライバシーに配慮したり、入退室のたびに気持ちを切り替えたりする役割もあり、必ずしもムダという訳ではありません。
廊下にお気に入りの雑貨や絵を飾ればギャラリースペースになり、カウンターとイスを設置してリモートワークや読書をすることもできます。ただ移動するだけのスペースではなく、家族の快適や楽しみを深めるスペースとして廊下を活用してみてはいかがでしょうか。