人気の「平屋」にまつわるウワサのウソ・ホント

ワンフロアで暮らせる快適性やバリアフリーのメリットから、近年、平屋の人気が高まっています。その一方で、漠然と住みやすそうなイメージで平屋を選択したものの、住み始めてから「こんなはずでは…」と後悔するケースも。ここでは、平屋にまつわるウワサのウソ・ホントと、平屋を検討する上で知っておきたい知識を紹介します。
ウワサその1「平屋は広い土地が必要」
・・・答えは「本当」
平屋は1階にすべての生活空間がまとまっており、2階建てのように上下階で空間を分けることができません。そのため、同じ床面積の2階建ての家よりも、広い土地が必要になります。
加えて、周囲に高い建物が建っていると日照が遮られたり、道路が近いとプライバシーが気になったりするなど、環境によって住み心地が左右される場合もあります。平屋を建てるなら、広さや環境のことも考えて土地を選びましょう。
ウワサその2「建築コストが安い」
・・・答えは「ウソ」
平屋は見た目がコンパクトなので建築コストが安いと思われがちですが、実際は2階建てよりも基礎や屋根の面積が大きくなるため、工事費用が割高になるケースがほとんど。さらに広い土地が必要であることから、その分、土地代も高くなります。
一方で、住み始めてからの維持管理については、平屋のほうにメリットがあります。平屋は2階部分のメンテナンスが不要で、1階部分の点検や修繕を行う際も、足場の設置や解体にかかる費用を低く抑えられるため、2階建てよりもトータルのメンテナンスコストが安くなります。
ウワサその3「災害に強い」
・・・答えは「ケースバイケース」
日本に住んでいる限り、避けられないのが地震や台風といった自然災害です。平屋は2階部分の重さを支える必要がなく、構造もシンプルで安定度が高いことから、地震や風に強いとされています。
ただし、水害には注意が必要です。台風による大雨などで浸水した場合、平屋は2階などの高い場所へ避難する「垂直避難」が難しいという一面があります。浸水時の安全を確保するために、平屋を建てるなら、その土地が洪水浸水想定区域に含まれていないかどうかを確認しておきましょう。
平屋にも2階建てにもそれぞれメリットとデメリットがあり、そこに住む人が「家に何を求めるか」によって暮らしの満足度も変わってきます。これから何十年にもわたって住むことになる家ですから、メリットとデメリットをよく考えた上で検討しましょう。