使い勝手のよい駐車スペースとは。我が家に必要な台数、サイズ、造りをチェック!

マイカーの利用が多い家庭にとって、自宅の駐車スペースは「単に敷地があればよい」という訳ではありません。必要な台数、サイズ、造りなど、使い勝手のよい駐車スペースを備えて快適な暮らしを送りましょう。
必要な台数は?
現在使用している車の台数をベースに、将来の増車の可能性も想定して台数を設定します。来客が多い場合は、来客者用の駐車スペースも確保しておくと便利です。
サイズは?
ひと口に駐車スペースといっても、大型ミニバンのような普通乗用車と軽自動車では、最低限必要となるサイズも変わってきます。
安全に車を出し入れするには、使用する車の長さや幅を正確に把握しておくことが大切。車の長さや幅は、メーカーのWEBサイトや車検証などでチェックできます。もしも将来的に、今より大きい車に買い替える予定があるなら、その大きさを基準にしてください。
使用する車の大きさに加えて、乗り降りやドアの開閉のためのスペースも考慮します。たとえば、スムーズな乗り降りには最低でも60㎝程度のスペースが必要とされているので、運転席側だけで乗り降りするなら車幅+60㎝以上、運転席側と助手席側の両方で乗り降りするなら車幅+120㎝以上の幅を目安にします。
国土交通省の「駐車場設計・施工指針」では、1台あたりの駐車スペースのサイズの目安を、次の数値以上にすることを原則としています。
車両の種類 | 長さ | 幅 |
---|---|---|
軽自動車 | 3.6m | 2.0m |
小型乗用車 | 5.0m | 2.3m |
普通乗用車 | 6.0m | 2.5m |
参考:国土交通省「駐車場設計・施工指針について」
https://www.mlit.go.jp/road/sign/kijyun/pdf/19920610tyuusyajou.pdf
上記の数値は最低限の目安であり、実際の駐車スペースのサイズは、車種、前面道路幅、敷地の状況、家の位置などによっても変わってきます。無理なく出し入れできるかどうか、十分なシミュレーションが必要です。
造りのタイプは?
戸建て住宅における駐車スペースの造りは、主に3つのタイプに分けられます。
オープンタイプ
屋根や囲いのないオープンタイプは、開放感があり、家の外構がすっきりとしたイメージに仕上がります。見通しがよいため出し入れがスムーズで、設置コストが安いメリットがある一方で、遮るものがないことから風雨や紫外線の影響を受けやすいデメリットがあります。
カーポートタイプ
カーポートとは、屋根と柱だけで構成される簡易車庫のこと。後述のガレージタイプより設置コストをかけずに、雨や紫外線からマイカーを守れるメリットがあります。デメリットとしては、柱の位置や本数によっては見通しが悪く、出し入れしにくくなる可能性があることが挙げられます。
なお、カーポートの面積は建物面積に参入されるため、建ぺい率の対象となりますが、多くの場合は緩和措置を利用して、面積の一部を参入しなくても済むようになっています。
ガレージタイプ
家とは別の建物に車を入れる「独立式ガレージ」と、家の1階部分に駐車スペースをつくる「ビルトインガレージ」の2種類があります。
ガレージタイプのメリットは、建物内で車を保管できるため風雨や紫外線からマイカーを守れること。近年増加している黄砂や花粉も、ガレージなら汚れなどが気になりません。さらに前面に扉やシャッターを設ければ盗難やいたずら防止にもなります。
デメリットとしては、オープンタイプやカーポートタイプよりも設置コストが高額であることや、建ぺい率の対象となることが挙げられます。
便利で安心な設備も
夜間の車の出し入れに便利な照明や、侵入盗などを防止するための扉やシャッター、防犯カメラなどの設備があれば安心。また、電気自動車やプラグインハイブリッド車を使用している家庭や、これから使用する予定がある家庭は、充電用の屋外コンセントも設置しましょう。
快適な暮らしには欠かせないマイカーと駐車スペース。入居後に「こんなはずじゃなかった」と後悔することがないよう、じっくりと検討したいものですね。