火災保険料の基準が変わる!平均4.9%上昇、築浅割引も

多くの人が、マイホーム取得時に契約する火災保険。
その住宅向け火災保険について、損害保険各社で組織する損害保険料率算出機構は10月30日、火災保険料の基準となる参考純率を改定し、平均で4.9%引き上げたと発表しました。
参考純率をもとに実際の保険料率が決定
この参考純率は保険契約者が支払う保険料とは異なり、損害保険会社が火災保険料率を算出する際に用いる基準(参考値)のことです。
参考純率は昨年も平均5.5%の引き上げとなっていましたが、今回は2018年度に発生した台風21号などの保険金支払額の影響を踏まえ、2年連続の引き上げとなりました。
今回の参考純率の改定を受けて、各損害保険会社は必要経費なども含めて保険料率の引き上げ幅を検討し、実際の保険料に反映させることになります。
築年数に応じた保険料の割引も
今回の発表では、築年数が浅い住宅の火災保険料の割引制度の導入も明らかになりました。
住宅向け火災保険がカバーする損害のうち、水濡れ損害などは建物の老朽化が影響して起こるケースも少なくありません。
そのため、損害リスクの低い築10年未満の住宅は火災保険料の割引対象となります。
築5年未満 | 築5年以上10年未満 |
---|---|
平均28%の割引※ | 平均20%の割引 |
※割引率は契約条件(都道府県・建物構造など)によって異なります。
参考純率の改定率の例
火災保険の参考純率は都道府県や建物構造(※)によって異なります。
ここでは三大都市圏で契約件数が最も多い東京都、大阪府、愛知県の都道府県の改定率について、保険金額が建物2,000万円、家財1,000万円の場合を例示します。
※建物構造は次の3種類があります。
M構造:耐火構造(鉄筋コンクリート造など)の共同住宅
T構造:M構造以外の耐火構造や準耐火構造(鉄骨造など)の建物
H構造:M、T構造以外(木造など)の建物
すべての築年数の改定率の平均
M構造 | T構造 | H構造 | |
東京都 | +1.4% | +4.9% | +0.1% |
大阪府 | +8.9% | +16.6% | +14.9% |
愛知県 | +4.2% | +11.0% | +10.9% |
築5年未満の改定率の例※▲はマイナス
M構造 | T構造 | H構造 | |
東京都 | ▲18.1% | ▲8.7% | ▲13.2% |
大阪府 | ▲13.1% | +0.1% | ▲2.0% |
愛知県 | ▲17.6% | ▲3.4% | ▲4.2% |
築10年以上の改定率の例
M構造 | T構造 | H構造 | |
東京都 | +6.3% | +9.6% | +1.9% |
大阪府 | +14.1% | +21.7% | +17.3% |
愛知県 | +9.2% | +18.1% | +15.4% |
損害保険料算出機構「改定率の例」より作成