間取りの良し悪しを決める「動線」について

住む人の好みやライフスタイル、立地などによって、ベストな間取りもさまざま。今回は間取りのポイントとなる「動線」について考えていきましょう。
短くスムーズな動線が理想的!
キッチンで料理を作ってダイニングへ配膳し、食後はリビングや個室でくつろいでから入浴のためにサニタリーへ…と、私たちは家の中を移動しながら過ごしています
このような“家の中での人の動き”を線で表したものが「動線」です。
一般的に「動線がよい」とされる住宅は、暮らしに沿って部屋などを配置しているため、移動が短くスムーズ。一方で「動線が悪い」とされる住宅は、移動に時間がかかり、なかなか目的の場所に行きつけずにストレスを抱えてしまいがちです。
暮らしの主な動線について
家の中にある動線は、主に次の4つがあります。
家事動線
炊事、洗濯、掃除といった家事をするための動線です。1日の中で家事に費やす時間は長く、炊事の合間に洗濯や掃除をするなど、「ながら作業」が多いのも特徴です。
これらの家事動線に無駄がないように配慮された間取りは、家事ストレスの軽減と、生活の質の向上に役立ちます。
通勤・通学動線
外に出かけるときに通る動線です。ただでさえ忙しい朝の時間を、寝室からサニタリーへ移動して身支度を整え、ダイニングで朝食を食べて玄関から出るには、無駄のない通勤・通学動線であることが欠かせません。家族が多いと必然的に動線は重なりやすいため、混雑を避けてうまく出発できるかどうか、間取り図をチェックしましょう。
衛生動線
トイレ、洗面室、浴室へ行くための動線。1日の中で何度も利用する場所だけに、わずらわしい動線だとストレスにつながりやすいです。特に、リビングや玄関を通ってトイレや浴室に行き来する場合、「来客時にトイレや浴室から出られない」「玄関からトイレが丸見えで恥ずかしい」といった事態になりかねないので注意。
来客動線
友人や親戚など、お客様を頻繁にお迎えする家では、玄関とリビングや客間、トイレを行き来する来客動線も忘れずチェックしておきましょう。来客動線上に、お客様に見せたくないプライベートなもの、生活感が出やすいものを設置しないようにするだけでも、来客時に慌てて片付ける…なんてことがありません。
スムーズな動線かどうかを見分けるコツは、間取り図を見ながら、家族の生活をイメージしてみること。「行きたい場所にサッと行ける」住まいが、毎日の快適につながります。