すす払い、松迎え…住まいのお正月準備とは

今年も残り1カ月となり、年末年始の予定を立てる時期となりました。
毎年、お正月は実家で過ごす人も、コロナの影響で年末年始は帰省せず、家族だけで過ごすというケースもあるのではないでしょうか。そこで、今回は「住まいのお正月準備」について紹介します。
なぜお正月準備が必要?
昔からお正月には年神様(としがみさま)という神様が家にやって来て、その家に幸せをもたらすといわれていました。
この年神様を家に迎えるために行うのが、「すす払い」や「松迎え」といったお正月準備です。現代は準備を省略したり、アレンジしたりする家庭も多いですが、新しい年の幸せを願う気持ちは今も昔も同じ。できる範囲で準備を行い、気持ちよく新年を迎えたいものですね。
すす払い
すす払いとは、一年の汚れを落とす大掃除のことです。昔の住まいは囲炉裏から出る煙や炎の黒いすすが家中に溜まっており、これを払って家を清めたことからこう呼ばれるようになりました。
昔から12月13日を「正月事始め」といい、この日にすす払いを行い、お正月準備を始めるのが縁起がよいとされてきました。とはいえ、ご家庭で大掃除を1日で終わらせるのは大変ですから、計画を立てて少しずつ済ませるのがよいかも知れません。
松迎え(お正月飾り)
松迎えとは、年神様をお迎えするために、家の門の前に門松を立てること。現代は住宅のスペース的な事情もあり、個人宅で門松を立てるケースは少なくなっていますが、門松と同じ「お正月飾り」の「しめ飾り」や「鏡餅」を飾る家庭は多いです。
門松
縁起のよい松・竹・梅をあしらった飾り物。家の門の前に2対を立てるのは、年神様がやってくるときの目印にするためといわれています。
しめ飾り
しめ縄に橙や鶴亀などの縁起物を飾り付けたもので、玄関先に設置します。最近ではアレンジメントを兼ねたデザイン性の高いしめ飾りがたくさん登場しています。
鏡餅
年神様へのお供え物として、神棚や床の間に飾ります。神棚や床の間がなければ、リビングや玄関などの高い場所に飾りましょう。ミニサイズの鏡餅をキッチンやトイレに飾る地域や家庭もあります。
ギリギリに準備するのは避ける
門松・しめ飾り・鏡餅といった「お正月飾り」は、すす払いが済んで家中がきれいになった後に飾ります。ただし、年末ギリギリになって慌てて飾るのは避けたいもの。昔から12月29日は「二重苦」、年越し直前の31日は「一夜飾り」といわれ、この日にお正月飾りを飾るのは縁起が悪いとされています。穏やかな年越しを過ごすためにも、お正月準備は余裕を持って行いましょう。